昨年は東日本大震災において土葬が大変注目されましたが、果たしてそれが今後、日本において土葬の見直しに結びつくかどうかは疑問です。
それは緊急時、災害時の火葬が間に合わないときの大量埋葬という墓地でもないところを造成して行った苦肉の策であったと見られるからです。もしも各自治体などに土葬の出来る墓地があったなら決して粗末な埋葬との印象を親族やニュースを見た国民に与えなかった、また掘り返して火葬するなどといったことはなかったかも知れません。
昨年、スイスのFIGUを訪問した折に土葬事情を聞きました。それによりますと埋葬して20年間はその人の石碑が置かれますが、それを過ぎると石碑は取り除かれ新たな埋葬者の石碑が置かれるそうです。更新する場合は更に20年間の管理料を支払い継続することが出来ます。すでにご存知でしょうが土葬の会発足のきっかけは、FIGUのビリーマイヤー氏からの情報でした。
以前にもお知らせしましたがスイスでは2メートル50センチ(日本では2メートル)の深さに最初の遺体をそして次の遺体をその上にという順で重ねて埋葬し1つの区画を有効に利用しています。この方法ですと狭い日本の国土事情にも合いますし従来の土葬は土地を広く取りすぎるという弊害を解消出来ます。
今後の土葬の存続のためにもこのような方法があることを知ってもらって土葬を見直してもらえるようにしたいものです。
それから、報告が遅くなりましたが会の看板を制作して設置しましたのでお知らせします。
また、会の所在する富士川町の電話帳広告に土葬の会を掲載しましたので併せて報告します。
1月10日
年が明けて、昨年11月に朝日新聞の取材を受けましたが、1月6日の長野版に記事が掲載されました。
タイトルが「土に還ることの難しさ」として土葬の現状が紹介されています。
昨年、朝日新聞の長野支局より土葬の会の取材を申し込まれ、土をテーマとした記事を集めているとのことであった。なぜ長野からと思ったが記事を見て納得した。ここ数年、長野県内では土葬を行った事例がなかった、という。そして「人は死んだら土に還る。当たり前の話のようだが、今の時代、これがなかなか難しい。」と続く。
5人家族で100メートル四方の肥沃な土地は人間が申し分なく自給自足の生活をする上で必要だと言われるが、過剰になった人口はもはや人間が快適な生活を送れなくなっていて、幸福を感じることが出来なくなること、そして死ぬべき土地、すなわち土葬も困難となっている。だからといってあきらめるなら土葬は絶滅し、そのうち将来に於いて火葬の弊害が研究され問題となり、想定外だった!と言われるような一大事となることが予想される。
なぜなら日本は世界に例をみない火葬率99.99%(経験値)の火葬大国で世界のどの国も歴史上経験したことのない火葬一辺倒という国家的大実験をしているからだ。古来行われていた土葬が、わずか数十年で火葬へと突き進み、その検証すら行わず、誰も異議を唱えず抵抗もせず、遺体処理としての焼却へと手際よく処分のように片付けられ別れの時を惜しむことさえままならない葬儀となっている。
太古より地上の自然に恵まれそれで命を育んで子孫を存続させ、死して土に還ることが自然で当然だった人類の歴史、それが今や人間の本質を知らない人々によって誤った葬送のあり方が行われ、1部の宗教を除いた宗教界も火葬の片棒を担いでいる。そして火葬による弊害が既に今の子どもや若者に顕著に現れているように見える。それは家族や社会との人間関係の“絆”が希薄になり日本の未来にとって不安要素が非常に危惧されるが、それが事実かどうか注意して見守っていただきたい。人間がもはや自然の循環からはみ出し、地球から度重なる巨大化した自然災害によって復讐され追いつめられていることも。
2月2日
イスラム教関係の方から連絡がありました。
土葬の出来る墓地を探しているということですが、ある程度まとまった規模が必要で墓地の一角でもいいということでした。
会でも土葬の存続と本来の土葬を守るためにも協力して行きたいと思います。
イスラム関係からの問い合わせはこれまでも何回かありましたし、関西方面での土葬用墓地の共同開発を働きかけられたこともありました。
日本中火葬になっていることから土葬が当然のイスラム教関係の人にとってはとても深刻な問題なのです。
新聞やテレビなどでもイスラム教の土葬用墓地を巡っての用地不足と周辺住民との軋轢が取り沙汰されます。いつの間にか日本人も土葬が不衛生、気持ち悪いなどの理由から焼却が当然となってしまっています。
2月13日
九州は福岡の方からお問い合わせをいただきました。
現在98歳になるお母さんが土葬を望んでいて遺言書にも書いているので、いまの元気なうちに探したいということでした。それで福岡に土葬の出来るところはありませんかというのですが、残念なことに九州での情報は長崎県のしかも五島列島方面の情報はありましたが把握は出来ていません。
支援もかねて入会したいとおっしゃるので申込書などを送付することにしました。
同日、
この方の他にも九州からの問い合わせを以前いただいていた方がおられ、その方の情報を頼りに大分県で土葬の可能性を探るためにある方に問い合わせしますと、いま土葬は出来ないが土葬についてはよく知っている、将来土葬の墓地を造りたい。という方を見つけました。土葬の会からの問い合わせに先方も驚かれたようで、お話によると既に土地も確保してあるとおっしゃるので、今時このような方がおられることに私も驚きました、お話をしてお互い共感するところがありそのうちにお会いすることにしました。
3月8日
姫路の葬儀社から問い合わせがありました。
葬儀をされる方の中で土葬を望む方がおられるので土葬事情を知りたいとのことでした。
また、土葬に関することはほとんど知らないのでお客さんから土葬の会を紹介されてお問い合わせをいただいたそうです。
土葬が禁止されていないにも関わらず、土葬の出来る墓地がないことにも言及されたので、新たな土葬用の墓地の必要性と造る場合の条件なども話しました。
3月19日
神奈川県の会員の方から連絡がありました。
前回の会報でもお知らせした、鬱(うつ)にかかっておられた方ですが元気なお声で、特に用事はないのですが元気になりました、前に送ってもらった本を読んでいますよと言っていただきとても嬉しくなりました。
懇親会においで下さいと言いますと、大勢の中にはまだ無理と思うとのことでした。
4月22日
かねてよりご案内していたところの、土葬の会で初めて懇親会を催しました。
参加される方を駅まで迎えに行って、町ではすでに散ってしまった桜が平林の集落では満開となっています。薄曇りの空は残念なことに、いつも奇麗に見える富士山を隠していました。
健康不安や体調が優れない、都合がつかったなど様々な事情のお返事もありましたが遠くは九州や大阪から、埼玉と地元から8名の参加でした。
12時からの会合で、周りで採取されるミツバ、ウド、タラの芽などの天ぷらを添えた昼食を妻と沼田さんが用意しましたが、好評をいただいたことは幸いでした。
それぞれの土葬に対するお考えなどの意見交換をしましたが、会の存続をはかるにはどうしたら良いか、そのためには土葬の会の存在をどうやって知ってもらうか、また、「親を土葬にしたかったが葬儀会社から全国でどこにも土葬の出来るところはないと断言された経験から、自分も先がないのではと早くから土葬が出来るところを探していた。」土葬の会の存在や土葬が出来ることをほとんどの葬儀会社が知らない状況なので土葬を望む人がいても、葬儀会社にないと言われればあきらめてしまうだろうということでした。
火葬がいとも簡単に行われている背景について、火葬場で遺体が焼かれているのを見た経験がある人たちは、「自分は焼かれるのは嫌だと感じたから、きっと焼かれているのを見たことがないにちがいない。だから一度でも見ると考えが変わると思う。」
「死に対してまじめに向き合っている。死んで土に戻ることは自然であることを望んでいる。」などと自己紹介を通じて親交を深めることが出来ました。
また来年も4月の今頃の日曜日に懇親会をしたいですねと話が決まりました。
懇親会の終了後、小雨の中を土葬墓地見学希望者と連れだって風の丘霊園へ
自由区画の敷地には桜が咲き花びらが散っていました。するとこのような桜のそばに埋もれて葬られるのはなかなかいいものだとの感想がありました。それに風の丘霊園と言う名前も良いと。いずれ墓友になるか知れませんね。
4月26日
NHKのニュースが天皇の葬儀に付いて報じた。
それによるとこれまでの土葬を改め火葬を検討するという。
簡素化を踏まえ両陛下、火葬・葬礼簡略化をご希望…宮内庁検討
4月28日
神奈川県の会員から電話がありました。
天皇の火葬が報じられたことで土葬が出来なくなりませんか?との問い合わせでした。しかしすでに土葬の墓地を取得しているのですから心配ありませんよとお伝えしました。
確かに天皇はこれまで土葬を行って来てその伝統があるにもかかわらず簡素化と一般に行われている火葬を検討するというものでしたから、もし火葬が執り行なわれるとしたら土葬の風習を伝統とし継続するところは日本から無くなります。この検討による火葬への移行を会としても阻止すべきですが、多勢に無勢です。それでも土葬の存続の意義を訴えることは誰でも出来ることですから、そうなると益々土葬の会のみが日本における土葬存続の最後の砦となります。
皆さん、会員の増加に頑張りましょう。
5月2日
朝日新聞の「声」宛に以下の文章を投稿しました。(後日、天皇の火葬を擁護するような記事が掲載されたので、投稿記事は採用されませんでした。)
天皇の火葬検討を危惧する!
土葬の存続と風習を守るための活動をしている者として、これまでの土葬から火葬を検討するとの報道には驚いた。天皇家だけは日本古来の土葬を伝統として維持し続けるであろうと思われたからであり、その最後の砦とも言うべき存在だからである。なぜなら仏教はもとより神道においてすらその研究者によれば、いまや土葬の選択肢はないというのである。確かに日本における火葬率は私の知る限り99%を超えているからだ。したがって一般に行われている火葬へと両陛下が考慮されることは理解できるが、いまや唯一天皇家だけが日本において土葬の風習を維持しており今後もその存続が期待できるのである。世界が崇敬する天皇、その葬儀が火葬ならば世界では例のない火葬大国となってしまった日本を象徴することになり、国体を脅かすことになりはしないかと危惧される。また、古来行われていた土葬はそれが自然でありその意義についても知られていたはずで、火葬の歴史はわずかなのに、土葬の意義について誰もが忘れたか知らないということを指摘しない訳にはいかない。なぜなら日本の宗教界は土葬の意義を唱えることなく沈黙しているからだ。それでもキリスト教やイスラム教の信者、それと火葬を忌み嫌い土へ還る自然の循環である土葬を切望し土葬の会を探し求めて来る人々がいることも事実である。
6月1日 新入会者の意見
地球上の有体物は、まず土に還り、そこで元素に分解され、しかる後に宇宙
に放散していくと考えています。
あたりまえのように行われている火葬は、このサイクルに合わない、イレギ
ュラーな方法だと疑問に思うようになりました。
幸いにも、貴会に巡り会うことができ、死後のことについて、やっと安心を
得られた思いです。 岐阜県三輪芳博
6月7日
NHKが森林墓地を報じた。都内の墓地が樹木を植えた地下に深さ2メートルの筒を何本も埋め、そこに遺骨を納め、やがては土に還ることを目指しているという。このような墓地に問い合わせが殺到しているという。その背景にはもう墓は守れないとの事情があるという。うわべはいかにも自然な埋葬を装っているが、火葬されてから土に還されても本来の意義を失っている。遺骨は焼却せずにそのまま土に還し、数百年を経て土に戻ることが自然でまた最も本来の人間の埋葬方法だからだ。つまり遺骨は、転生の周期50年から150年と言われており、その期間遺骨は地中で残っており、新たな転生によって誕生した時から自身の遺骨の気のエネルギーを得て前世まで自身が蓄えていた知識を取り戻すのである。
したがってその助けを得て生まれながらにして知り、教えられずして考え行動出来るという予感である。この詳細についてはここでは触れないが、気休めだけの埋葬方法というのはいかにも現代の世相を反映していると思う。
経済発展によって古来の伝統や自然や知識が失われることは決して人間の幸せや平和に結び付かない。
6月16日
土葬の会会長 山野井 英俊様
こんばんは。
昨年東日本大震災直後に2度ほどメールさせていただきました、埼玉の加藤と申します。お世話になります。
さっそく、先月22日付のブログ「ついに天皇、皇后までが火葬の検討を始めた。を危惧する。」を読ませていただきました。
私もこの記事が出た時、何でこんな時にこのような記事が出てきたのか疑問でした。確かに天皇家は、主に仏教の影響でしばらく御火葬にされていた事もありました。また国民に誠実な天皇、皇后両陛下がそうお考えになるのも不思議ではありませんが、いかにも尤もらしい理由を並べ立てた記事か、と思いました。私もまだ勉強不足で何ともいえないものの、この火葬率99%強という異常な率は、公衆衛生とか防疫ではなく、我が国の伝統を破壊する謀があるのではないかと考えています。
そのような風潮に乗ってしまわれて本当に御火葬をされるのなら、天皇陛下は自然と伝統を破壊してきた現代日本の象徴に成り下がってしまうと懸念しています。あくまで天皇陛下は日本国と日本人の象徴であらせられ、陵の規模はともあれ土にお還りになる、つまり土葬の伝統は厳に守っていただきたいと一国民として切に願います。
もうひとつ、今回はお知らせがございます。
私は、東日本大震災を機に、人間が余りに密集し過ぎて生活環境が悪化する一方の関東を見限り、自然栽培による営農を志したこともあり永住兼営農の地を昨年から探しております。
決める条件はいろいろとありますが、何といいましても土葬可能な町村であることが絶対条件といえます。そこで、始めから土葬が行われているもしくは行われていると言われる県の物件を探してきました。また何か情報がありましたら、随時お知らせ致します。
6月24日
土葬の墓地見学に東京から会員の鎌田さんが来られました。
韮崎駅に迎えに出て初めてお会いしました。電話では何度かお話ししていましたが若い女性です。
薄曇りにもかかわらず熱いなかを墓地に案内し、個人区画、標準区画、自由区画を説明。区画はずいぶん広いんですね、東京の火葬区画はこんなに小さいと手で示してくれました。
その後、平林にお連れして妻とともに宇宙やUFOの話にも及び歓談しました。
その際にも、「土葬を求めていて土葬の会を知り、土葬が出来ることを知り本当に安心しました。周りの人は誰も土葬の話をしても理解してくれず、両親もまだ健在ですが土葬への理解が無いので、今後説得してみます。」と、
そして翌日墓地を契約したいと連絡をいただきました。
また、今後の活動の取り組みに賛同いただき早速寄付をいただきました。
6月30日
会員の皆様へ重要なお願い
すでにお知らせしましたように、ついに天皇までが火葬を検討し土葬の伝統継承を放棄する事態を迎えようとしています。これは日本に於ける土葬の風習、伝統の存続が危機を迎えたことを示しています。つまり、土葬の伝統継承を行う組織、団体、が日本から無くなる、失われることを意味します。そのような中にあって現在土葬の会のみが土葬の存続の活動を行っておりますが、いまこそ私たちが声を挙げ火葬一辺倒の過ちを正し、土葬絶滅を阻止しなければなりません。
もはや天皇を始め政府も自治体も宗教界も葬儀会社も寺院、墓地、霊園も当てにできません。そのためには土葬の会の存在と活動を広く知らせしめる必要があります。すでに会のホームページでは会報を掲載するようにしました。会のホームページを訪れる不特定多数の人々に皆様からの土葬に関する意見をご覧いただくことは、これまで関心の無かった人や、土葬はもう無理ではとあきらめていた人々への共感を覚えさせ励みとなるでしょう。どうぞインターネット環境にある方はご覧下さい。また会員募集のために入会フォームを設けホームページから入会手続きができるようにしました。そして会員制度を設けた平成20年から現在の会員数は17人になりました。そしてこれまでの埋葬は4人、墓地予約は5人となっております。そして懇親会も開催できました。このように着実に活動が展開されて来ましたしこれからも発展して行くと思います。なぜなら、土葬を望む人がいる限り絶えること無く継続されますし、土葬の真実と意義は必ずや人々が理解する時が来るからです。
そうして土葬が主流になる時が来ることを目指しましょう。
今後の活動展開として、会員募集と寄付のお願い。
1、 会員の増加を図るために友人、知人、土葬に興味を示すであろう人々に土葬の会を紹介していただき会員募集をお願いします。
2、 親睦会でも話題になりましたように全国の葬儀会社に土葬の会の存在を通知し土葬を望む人々に土葬が出来ること、土葬の会を紹介してもらうようにしたいと思います。
その理由はこれまでの問い合わせの中に葬儀会社に聞いても土葬の出来るところは無いと断られた。という意見がとても多いからです。
そのためには会のパンフレットを作成して葬儀会社や、そして知人友人にもお渡しできるように、またマスコミにも送付したいと思います。
皆様からの会費はほとんどホームページの運営と通信費に費やされておりますので、新たな活動にご協力をいただくために寄付をお願いします。
■振込口座
山梨信用金庫 増穂支店 普通口座0126359
土葬の会 山野井英俊
ゆうちょ銀行 記号10810 番号13115901
土葬の会 山野井英俊
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土葬の会 山野井英俊 0556−22−8656