皆様へ
今年は東日本大震災、放射能被害、台風災害などがありました。また来年度は宇宙から太陽嵐による電子機器被害が予想されております。それがどの程度の規模の災害を引き起こすか予想がつきません。従いましてあらゆる災害に対してのご注意をされることをお勧めします。
それから会員の皆様の会合を4月頃計画したいと思いますがいかがでしょうか。
初めての試みですがご要望があれば開催したいと思います。
どうぞよろしくお願いします。 山野井
7月○日
私の住む平林の集落に数年前に田舎暮らしを求めて東京から越して来た独身女性がいます。
その彼女は原発反対や自然環境の保護などへの関心も高くすっかり田舎暮らしに馴染んでいます。
そして、土葬にも関心があるというので資料を渡しました。
8月3日
神奈川県の女性の方から問い合わせがありました。
「大学で葬送をテーマに論文を書いており、特に他宗教、他民族への今後の日本の葬儀の動向が気になっています。
「土葬の会」の存在を放送大学教育振興会発行の『世界の中の日本』という著
書で、山梨ではイスラム教の土葬が行われていることを知り、そして土葬の会があることも知りました。
日本で唯一の、土葬推進、実行をしている団体と聞き、是非お話しと霊園の見学をしたく問い合わせを致しました。
ご迷惑ではなければ、8月中に伺いたく思っています。
急な依頼誠に申し訳ございません。
お返事お待ちしております。」
8月9日
お問い合わせのあった女学生を韮崎駅に迎え、そして車で10分ほどの墓地へ案内しました。土葬の墓地を見て、「墓石が無く誰のお墓かわからないですね」
と言われるのでやはり墓石はあった方がいいですが、特に会では勧めていないと説明しました。
ご自身は葬儀関係の仕事に就きたいと考えているそうですが、現在行われている葬儀のあり方に不満を感じておられ。ご本人が望み親族が満足して喜んで頂ける葬儀をしたいと考えていると言うのです。
それなら、生きているうちにどのような葬儀を望むかを聞いておく必要があり、そのための働きかけをしたほうがいいでしょう、と話しました。
つまり、元気なうちにどのような死を迎えるかを準備させることです。
出身を尋ねると、なんと実家は山梨だそうで、山梨にイスラムの霊園、神道の土葬霊園、そして土葬の会があり、葬送に興味があり職業にしたいと考えている彼女と、これは不思議な縁ですね。活躍に期待しましょう。
8月5日
以前「葬」という雑誌を出版している方の問い合わせ記事を載せましたが、その取材記事を紹介します。
「土葬と言う方法」
今回の東北関東大震災で被害にあわれた全ての方にお見舞いを申し上げます。
そして残念ながら、ご親族やお知り合いを亡くされてしまった方に、お悔みを申しあげます。
私自身は東北に係累や知人が散らばっており、まだ連絡が取れない人もいます。本当に、胸の裂ける思いで一日中情報を求めてインターネットを見ております。
政府がご遺体の土葬を検討しているというニュースが流れています。
火葬とは違う葬り方に、少し戸惑いを感じていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
「遺骨」のないお弔い。
そして、土葬されたその土地にお墓を作れないかもしれない。慰霊塔のみになってしまうかもしれない。
「土葬の会」をされている、山野井さんという方がいらっしゃいます。
今、日本ではほとんどが火葬ですが、土葬という選択のための場所も必要なのではないか。
そう考えて、山梨に土葬がいまだ続けられているわずかな土地があることを調べ、そこを活動の拠点としていらっしゃいます。
今回の事態に関しても、福島県の提携寺院の協力を得ることができたとして、自治体に向けて土葬受け入れの情報を提供しています。
土葬を選ばれる方は、そのあとの弔いをどのようにするのか。
お電話したところ、見も知らぬ私のために、以下のように丁寧に答えて下さいました。
「土葬を選ばれる方は、身の回りの形見は取っていらっしゃいますが、遺髪や爪などをお持ちになるということはほとんどありません。
土葬された上に石碑を持つ、ということもないようです。
土葬をされる際に写真を撮って記念とする、という方はいらっしゃいますね。
その方々にとって、お身体のかたちでその土地にいる、ということ自体が、とても大事な意味を持っているのです。なにか、火葬とは少し違う安心感のようなものがある、と皆さんはおっしゃいます。
火葬の場合、お骨になった姿を見ると、ある意味で少し気持ちがすっきりするということが、よく言われるかと思います。そしてお墓に納骨し、年に数回、お墓参りをして弔いとしますね。
会で土葬をされた方にとっては、土葬をされた土地そのものが弔いの対象です。毎週いらっしゃってお参りをされる方もいます。石碑もなにもないけれど、ただその場で、手を合わせているのです。」
このたびは、積極的に土葬を希望されない方もたくさん土葬にされるようです。そのような方が遺髪や爪を遺されることを希望したら?とお聞きしたところ、「その方のお気持ちによって、できるかぎり、されたいようにされるのが良いでしょう」とおっしゃっていました。
このさき、どのような埋葬法が選択されるのか分かりません。
しかし、何らかの形で弔わなければなりません。
大事な人を失った後も、私たちは生きていかなければなりません。
生きていくために、失った人の何を残せば、自分のよすがとなりうるのか。埋葬に際しては、それを大事に考えなければならないと思います。
今回は、とても辛い状況の中で大勢の方が亡くなっています。
ご遺体の損傷も激しいようです。
さまざまな気持ちが、人の数だけあるはずです。
もうご遺体を見るのも辛い、被災地に足を踏みいれるのも辛い、という方。
被災地ではあるが、そこに生きていた証として、住処の近くに埋葬して弔っていきたい、と思われる方。
とにかく髪の一本でもいいから遺しておいて、弔いの対象としたいという方。
少しでも個人の希望に沿うようにお弔いがなされれば、と祈っております。
そして、このような余裕はないかと思いますが…。
どのような考えの方も、もしも可能であれば、遺髪を一本だけでも遺されてはいかがでしょうか。
そのときはティッシュに包むしかなくても、できるかぎり見栄えの良い容器に入れて保存する。余裕があるなら加工をすすめますが、その限りではありません。
「自分に遺髪は必要ない」「辛くて、持っていられない」という方もいると思います。しかし、失った人は、他の方の大事な人でもあるわけです。他の方が、どのようにされたいのか。聞けないときは、やはりお骨に替わるような何かを用意されることも、直接埋葬にかかわる人のつとめかと思います。
もちろん、そのようなものが必要ない、なくてもみんな生きていける、だいじょうぶ、という場合もあるかと思います。その時は、改めてその遺髪を供養すればいいのです。
8月23日
神奈川県の62歳の男性からお問い合わせをいただきました。
弟さんに土葬の会を見つけてもらって電話をいただいたそうで、ご本人は子どもの頃、近くに火葬場があり焼かれている様子を何度も見る機会があり、焼かれる惨さを感じていたそうです。お父さんが亡くなったときに葬儀屋任せの落ち着かない葬儀であったことでゆっくりと送ることが出来なかった。形にはまった葬儀も気に入らず自分のときは葬儀の形式や死に装束をしてもらわないでただ棺だけ用意して土に埋めてもらおうと考えておられたそうです。
しかし、今回、土葬の会を見つけることが出来て土葬が出来ることに安心したそうです。早速入会したいとおっしゃって頂き、また、会で集まってお話する機会はあるのですか、あるなら参加したいとのことでしたが、今はまだ会員も少ないのでしていませんが来年でも出来たらと思いますとお返事しました。
8月25日
先日の方が早速入会金を送って来られ、お電話が来ました。お話によるとご本人は引っ越しを機に思い出の家から離れたこと、思い出の品々をほとんど持たずに越したことを悔やんでおられ何もする気がせず、夜も寝られない、食事もあまりしたくない、外に出たくないと引きこもり、鬱にかかっておられるとのことでお母様とお二人での生活だそうです。あなたと同じように鬱にかかっておられ土葬の会員になられたかたがいますよと話すと、自分と同じような人がいるのだ、と思われ土葬を望む人の動機や意見などを知りたいとおっしゃるのでこれまでの会報すべてを送ることにしました。
8月26日
当方、奈良県在住の個人です。
最近、「クライオニクス」というものを調べておりました。
そしてそれを実現するには現行法で「土葬」に認定される必要がある、とわ
かりました。
そこで本日お問い合わせしたいことは、「沖縄の亀甲墓が法的に『土葬』と
見なされるのか否か」です。「クライオニクス」は冷凍設備を要するため、没
後も土中に納まるわけにはまいりません。
近年では沖縄の亀甲墓の利用者も、焼骨が進んでいるようですが、亀甲墓へ
焼きを伴わずに入ることが「土葬」に該当できるのかどうか、というのが大切な事柄です。
亀甲墓の他にも、焼かれずに納まることができる形態があれば、それに越し
たことはありません。
との問い合わせをいただき
亀甲墓は土葬に相当すると思われます。
その理由は墓に収められ肉体が腐食したのを待って洗骨してそのままその奥に収めるようですから、そうなると遺骨が残ることになります。
形としては土葬でなくても埋葬になるでしょう。
しかし、選骨のあと焼却するとなると土葬とは言えませんね。
土葬は土に埋め土に還すことですから遺骨は長年そこに残り徐々に消滅します。
亀甲墓の中に冷凍施設を設けて保存することは土葬とは見なされないかもしれませんが墓地に正式な手続きによって(埋葬届け)をして保存しているのであれば違法とは言えないでしょう。
その場合亀甲墓にこだわる必要も無いと思います。
また冷凍にする理由もないとは思いますが、ただ保存状態の良さを求められてのことでしょうか。(山野井)
ご返信、ありがとうございました。冷凍施設にこだわるのは、保存を考えているからです。
ただ、「クライオニクス」というもの自体が諸外国でもマイナーかつ活動内容が非常に不安定なものでして、日本でそれの正式な手続きをする墓地というのが考えられないのが現状です。
亀甲墓にこだわったのは、法律で埋葬の定義に「土中」とあったので、冷凍設備を稼働させつつ土葬と見なされる道を探しているからです。
寺費という初期費用で納骨して、33回忌まで居させてくれるという日本の永代供養と比べたら、クライオニクスに賭けても良いのではないか、と思ったのがきっかけです。
改葬もメンテナンス・点検も無しで何十年も冷凍設備が稼働するものなら、「土中」の条件を満たす葬送でも充分と考えているのですが...。
8月30日
入会いただいた方から電話がありました。今日、分厚い会報が届いて読まれた感想を、声を弾ませながら自分と同じように焼かれることが嫌で土葬を望む人がたくさんいることを知って、自分は決して異常ではなかったのだと知り、また連帯感を感じたそうです。今は土葬のことで土葬の会へ電話して何でも相談出来ることが嬉しいと言っていておられました。
これまで何度もお電話をいただいていましたが元気が無くトツトツとして暗い感じでしたが、口調も滑らかになり少しずつ元気になっているようで嬉しくなりました。
8月30日
東京の方から土葬の会をインターネットで知り問い合わせがありました。友人のエチオピア人が急に亡くなって、その日本人の奥さんが火葬にしてしまったので。周りのエチオピア人の友人達は驚いて土葬が出来ないなら日本に住めない、かといって本国へ遺体を送るに300万円もかかるので日本で土葬のできるところはないか調べてほしい、と頼まれたそうですがご本人もキリスト教徒なので土葬を望んでおられるそうです。まとまった土地の確保がしたいようで後日相談して連絡をしたいとのことでした。
9月9日
大阪の男性から関西方面で土葬の出来るところがないか問い合わせがありました。それで兵庫県の御津霊園を紹介しました。
9月21日
海外旅行中に急ぎ土葬をしたいとの連絡が、留守中にあったそうですが要領を得ずに私の携帯に連絡が入りました。しかし通話不能であったためどのような依頼であったかわかりませんでした。
このように土葬を望まれる方が急に土葬をしたいとの問い合わせが度々ありますが、今回のように対応が出来ない場合が稀にあります。
従いまして、ホームページでもお知らせのように前もって墓地の確保およびおおよその予約などをしていただけると幸いです。
10月6日
土葬の会 御中
突然に問い合わせ致しまして、申し訳ありません。
差し支えなく、また、情報がありましたら、下記のことに
つきまして、回答頂ければと思います。
記
遺族の方等が役所に埋葬許可申請を行った場合、何の条件等
もなく許可がなされていますか。
もし、条件等が付される場合、どのような内容のものですか。
また、土葬が行われているとしたら、どの地域あたりでしょうか。
お答できる範囲で結構です。
出来ましたら、近日中に返信頂ければ幸いです。
朝倉市 松尾
朝倉市 松尾 様
お問い合わせの件
受け入れ側としましては埋葬及び火葬許可証があれば受け入れています。
特に条件はありませんが自治体によってはすでに埋葬許可証という様式を廃して火葬許可証しかなくこれで埋葬してもらってください。との事例もありました。
この場合は役所が本当に土葬を行っているのか確認を埋葬地の役所か霊園に確認したようです。
従いまして火葬許可証でも当会は遺族が土葬を望むのであれば土葬の取り次ぎに応じております。
また別の例では埋葬許可は前例がないので出せないと役所に言われたと会へ相談が寄せられたことがあり、それについてはきっと役所の方が土葬は禁止されていないのを知らないようだから、再度役所へ行って土葬の会では埋葬許可証は出してもらえるはずだと言っていると、言いなさい。と言われたことを窓口で話すと別の人が現れて出していただけたそうです。このように対応にばらつきが見られます。
またある事例では役所で、もうどこにも土葬など出来るところは無いと言われたので仕方なく土葬をあきらめたことがあったそうで、後で土葬の会を知って残念な思いをした方もおられます。
先日、熊本の方から大分県で土葬の出来るところがあるが費用が高くて出来ないとのお話がありました。あいにく墓地の場所や名前は伺っていません。
土葬の出来るところは
兵庫県のたつの市、山梨県の北杜市、山梨市(神道のみ)(イスラムのみ)、河口湖町、福島県の福島市、北海道釧路市などがあります。
以上です。
10月15日
名古屋の方から問い合わせがありました。
95歳のおじいさんが、自分の知っている人は土葬にされているので、自分も土葬にしてほしいとおっしゃっているそうで、ご子息が土葬の会を探して連絡して来たのでした。
資料が欲しいということで送付しました。
11月23日
朝日新聞長野支局の記者が来られ取材を受けました。
タイトルは土に関する題材を取材するのだそうで、土葬も土の中に葬られることで自然の循環にもかなっていることから注目したそうです。
土葬の会の成り立ちや墓地の確保、全国で土葬が出来ない現状、火葬へと移行した原因、火葬による家族や親族との絆の低下と若い世代の精神的、肉体的弱体化傾向。火葬による人知れぬ弊害の可能性、人々は失って初めてその過ちに気づくので土葬への見直しが何10年か後にあると思うとの見解を述べました。
11月30日
東京の女性の方からお電話をいただきました。
火葬を望んでおらず土葬を探していたそうですが東京は土葬が禁止されており普通の火葬用墓地でも値段が高く300万円もするそうです。
実家は長野でお墓もあるのですが、そこもいまは土葬をしていないので山梨で土葬出来るならそちらで購入したいとのことでした。
それで、念のため長野のお寺に電話をして土葬が出来ないかを尋ねてみてはいかがですかと話しました。
後日入会申し込みをいただいたときに長野のお寺はどうでした?と尋ねるとやはり土葬は無理だと言われたそうです。
土葬の場合に少しでも身体をそのまま残すためにエバーミングをするか石棺のようなものに入れて長らく残すことを希望して考えておられるようです。
以上